曲紹介

Spread Your Wings and Fly

__ シューマンのピアノ曲に「飛翔」というのがあるのでありまして、こりゃまた変な邦題をつけたもんだな、と最初手に取ったとき思いました。しかし1番に由来する英語のタイトル"Spread Your Wings and Fly" を見て、まあ納得しました。
__ 残っていたテープは相当ひどい状態だったそうですが、ローラの若いころの録音が聞けるのは非常にありがたいことです。光の季節に比べると、非常に生生しい音になっていて、これこそライブ版という感じがします。日本語ライナーノーツでは、ゴナ・テイク・ア・ミラクルのおまけのライブ録音を聴いたときから、このような形のライブ録音の発表を期待していた、と書いていますが、いやはや全くおっしゃるとおりです。
__ ただ、このライブアルバムはローラのパフォーマンスがかなり強烈ですので、もし初めてローラ・ニーロを聴かれるとしたら、まずスタジオ録音の方を聴いてからにしたほうが良いと思います。こちらを先に聴くと、スタジオ録音の方がフヌケに聴こえてしまうかもしれません。
__ 2番と10番のメドレーに関して言えば、このアルバムに取り入れられた以上、アルバム「ゴナテイクアミラクル」にオマケのように入れる必要はないですね。「ゴナテイク」のアルバムとしての統一性を崩してしまいます。

1曲目:"American Dove"

__素晴らしい出来ですね。このライブアルバムの目玉といえるでしょう。この曲がレコーディングされなかったのは、あまりにストレートな反戦歌だったからだと思います。「ジョニーは戦争から戻ってこないの、もう生きてはいないの」という歌詞は比喩でも何でもない、そのものずばりの反戦です。

2曲目:" Medley"

Ain't Nothing Like the Real Thing/
(You Make Me Feel Like) A Natural Woman

3曲目:"Spanish Harlem"

4曲目:"I Am the Blues"

__ 4番は「スマイル」での録音に比べて、熱演であり、圧巻です。ローラのヴォーカルが耳にこびりついてしまいます。

5曲目:"Medley : Walk on by/Dancing in the Street"

5番の前半、エンジェルインザダークにも入っている曲ですが、歌詞カードによると、女の子っぽい歌なのですね。それが途中から雰囲気を変えます。

6曲目:"Emmie"

__ 6番は静かに始まりますが、後半の盛り上がりでは、鍵盤をグリッサントしています。グランドピアノでグリッサントしたら指が痛くなったりはしないんだろうか、と一度もグランドピアノを弾いたことのない私などは思ってしまいます。

7曲目:"Map to the Treasure"

7番もスタジオ録音に比べると、気迫のこもった演奏になっています

8曲目:"Christmas in My Soul"

この曲はクリスマスのアルバムの所でも、ちょっとやりすぎ、と書きましたが、ライブでもやりすぎ、です。

9曲目:"Save the Country"

__ 9番はピアノをぶっ叩きながらの熱演。国を救えと、高らかに歌い上げるあたりは、このライブアルバムの最高潮といっていいでしょう。

10曲目:"Medley : Timer/O-o-h Child/Up on the Roof"

11曲目:" Medley : Lu/Flim-Flam Man"

名前が曲名になっているEmmieとLuを比べると、私はLuの方が好きです。

12曲目:"Mother Earth"

最後は、息が詰まりそうな、それでいて心にしみる曲です。以上が私の感想ですが、素晴らしいライブアルバムです。ローラの演奏の真骨頂と言えます。

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